★2023年2月3日発信
令和5年度の稲の多年草化栽培研修会は定員になったので、受付を終了しました。
★ 2022年12月5日発信
令和5年度(2023年度)稲の多年草化栽培 研修会の募集を開始しました。
参加希望者が増えているので、早めのお申し込みをお勧めします。
★100%自然に任せっきりの米作り
田植えはせず、
草取りもせず、
肥料も与えず、
することは田んぼに水が入っているのを確かめることだけ。
そして、秋に稲穂が頭を垂れたら、収穫する。
こんな夢のような米作りが誕生しました!
それが「稲の多年草化栽培」です。
地方で自給自足を目指す人や半農半Xを目指したい人にとって、また楽して米作りをしたい素人にとっても夢のような米作りができるようになりました。(ただし、大規模・機械化稲作には不向きです。)
★不耕起・冬期湛水の田んぼ
田んぼを耕さないで、稲を刈った後の藁を田んぼに戻して、冬の間も水を張る(=冬期湛水)と、生き物がたくさん湧いてきて、田んぼは生き物の命の循環(=食物連鎖)の中で生命力のある美味しいお米が作れるようになります。そして、肥料は年々少なくてすむようになっていきます。もちろん農薬や化学肥料は一切使いません。
耕さない田んぼではトラクターも不要ですから、燃料が大幅に節約できるだけでなく、排出ガスによる大気汚染も大幅に抑えることができます。さらに、耕した田んぼから発生するメタンガスは二酸化炭素よりも25倍もの温室効果があると言われていますが、その発生量も化学農法の十数分の一まで減らすことが出来るので、地球温暖化の抑制にも貢献します。
耕さない田んぼの米作り、すなわち不耕起移植栽培は、千葉県香取市で岩澤信夫先生が今から20数年前に提唱された農法ですが、その後の技術的な進歩と、とりわけ冬期湛水と組み合わせることで一石数鳥の利点がある、環境再生型稲作として注目を浴びています。
★稲が多年草化
8年前から、実習会場の田んぼではその前の年に植えた稲が冬の寒さを乗り越えて、3~4月に再生し、秋には見事に実るという現象が起きています。それを稲の多年草化と呼んでいます。令和四年には一枚の田んぼでは全面で稲が多年草化し、田植えが不要になり,秋にはたわわに稔りました。これは画期的なことで、前代未聞の出来事です。また、”4歳の稲”(つまり5年前に田植えをしてから生き続けている稲)が100株以上誕生し、やはり秋には見事に実りました。
(多年草化した稲の見事な稔り 2019年)
(たわわに穂を垂れた大きな株の”4歳の稲” 2022年)
この研修会では、不耕起・冬期湛水の米作りについてしっかりと学びます。それが稲の多年草化栽培の基礎になっています。また、その知識があれば、様々な水稲栽培法に応用できるようになります。
その上で、稲の多年草化栽培の基本を学ぶとともに、そのメカニズムのさらなる解明やよりよい栽培技術化を追求します。
多年草化の研究については、まだまだ分からないことがたくさんありますが、
夢とファンタジーを膨らませて共に学びあっていきたいと思います。
未経験者のほうがいい?
米作り経験の有る無しは問いません。ただ、今まで誰も経験したことのない、全く新しい領域なので、今までの米作りの知識や先入観や固定観念を持っていないほうがいいかもしれません。まっさらな目で目の前で起こる事態を素直に直視することから始めたいと思います。きっとワクワクドキドキするような展開になると思います。
「和み農」も学ぶ
21世紀を「循環と共生の世紀」とするために、(資)大家族の代表は、21世紀の「農」の指針として、「和み農」を提案しています。それは8つの指針からなりますが、研修会では、「和み農」についても学びます。
〇講師は千葉県香取市で2002年から開催されている自然耕塾で岩澤信夫先生直々に学び、不耕起・冬期湛水の米作りを14年間続けています。
〇講義会場は都心や横浜から1時間から1時間半ぐらいで来られる、交通の便のいいところです。
〇実習をする田んぼでは神奈川県の絶滅危惧種IB類に属すホトケドジョウが復活して繁殖しています。今後後どのような生き物が戻ってくるか、大変興味が湧きます。
(生き物調査で捕獲されたホトケドジョウ)
〇講義を半分、実習を半分とすることで、単に理論を学ぶだけでなく、その実際の現場作業を見たり体験したりして、理解を深めると同時に現場での応用の仕方も学びます。
(水苗代に苗箱を設置する実習)
〇講義や現場では、在来の耕す田んぼの長所や短所とも比較しながら、米作りの多様なケースについて広く学ぶことができます。
★令和5年度(2023年度)案内
◎ 申込書はこちら ⇒ 申し込み書
◎ 研修日程表と諸注意は こちら ⇒ 研修日程表と諸注意
◎ 参加者の感想文は こちら ⇒ 参加者の感想文
参加費 | 全10回(昨年より1回増えた) 年間 50,000円 スポット参加: 1回 6,000円(参加者が定員に達した場合は基本的に受け付けません。) |
募集人数 | 35名(最低人数 6名) |
開講期間 | 2023年3月~11月 (収穫祭は別途参加費1000円がかかります) |
講義会場と実習田 | 神奈川県相模原市中央区の田んぼと研修施設 |
会場2 | 収穫祭のみ講師の自宅(〒252-0232 神奈川県相模原市中央区矢部2-21-17) 電話:042-757-7163 |
主催 | 合資会社 大家族 |
日程 | 毎回、半分が講義、半分が観察と実習になります。毎回、午前10時~午後3時になります。
第1回目 塩水選と田んぼ環境の整備 3月12日(日) 第2回目 種まきと苗代作り 4月16日(日) 第3回目 苗代の観察と多年草化稲の田植え 5月14日(日) 第4回目 田植え 6月18日(日) 第5回 出穂と稲の生長の観察 7月16日(日) 第6回 抜穂と防鳥網張り 8月6日(日) 第7回 抜穂と登熟の観察① 9月3日(日) 第8回 抜穂と登熟の観察② 9月24日(日) 第9回 稲刈りはざかけ 10月22日(日) 第10回 脱穀と冬期湛水の準備 11月5日(日) 収穫祭 (費用別途1000円、講師の自宅) 11月26日(日) |
お問い合わせ・申し込み | 合資会社 大家族 代表 小川 誠 (電話:携帯090-93418229)メール: daichinouta4@gmail.com |
1.募集は申込み順に従い定員になり次第、締め切られますので、予めご了承ください。最低人数(6名)に満たない場合は、開講されません。
2.スポット参加は、受講日1週間前までにお申し込みください。
3.会場への行き方は別途ご案内いたします。
4.持ち物:水田用の長靴(ないし地下足袋)、軍手、手ぬぐい、帽子、たっぷりの水か飲料水、着替え(必要なら)、ノート、鉛筆
5.個人用に写真や動画の撮影は構いませんが、動画をSNSで公開するはご遠慮ください。
6.テキストとして『不耕起でよみがえる』(岩澤信夫著、創森社、2,200円(税別))と『稲の多年草化栽培』(小川誠著、地湧の杜社)を使います。テキストは事前に購入して、内容をよく把握するように努めてください。
7.新型コロナウイルスの感染状況によっては午前の部と午後の部に分けて参加人数を半分ずつにし、さらに時間も短縮して開催することもあります。
8.参加の取り消しは、第1回目の研修会の前日までにメールでなされた場合には参加費の返金に応じます。ただし、手数料として1000円かかります。第1回目の研修会当日以降の取り消しの場合には参加費は返金しませんので、予めご了承ください。
その他については、「研修日程表と諸注意」をご覧ください。
★特別イベントのご案内★
2023年1月28日(日)に相模原市民会館大ホールにおいて、
第2回「稲の多年草化栽培 全国集会」
を開催します。詳しくは以下のの投稿をご覧ください。
https://perennialrice2023.peatix.com/?fbclid=IwAR3jf2jmvsKz0K6SuEUOxqLUM9GhIQ-_d6p3T3CBPdfhhvrbZDn6yjX359o
※ 講師: 小川 誠(69歳)
略歴:神奈川県相模原市に生まれる。上智大学外国語学部卒業。有機農業歴25年。2003年自然耕塾塾生となり、不耕起栽培を始める。2006年NPO法人畑と田んぼ環境再生会を設立し、初代理事長。2009年食糧危機を乗り越えるために市民と協同で合資会社 大家族を設立し、代表。耕作放棄田の再生と同時に生物多様性のある田んぼ環境の再生に取り組む。21世紀の「農」の指針として「和み農」を提唱している。2019年、「稲の多年草化栽培」を発表し、現在に至る。相模原市認定農業者連絡会の会長。著書に『稲の多年草化栽培』(地湧の杜)がある。