正直であること

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正直であることが何と難しい時代でしょうか。でも、まだまだ世の中捨てたものではありません。
みなさんは写真のように「虫食いあり」と書かれたラベルの付いたトウモロコシを買う気になりますか。あるいは、「虫食いなし?」ならどうでしょうか。有機栽培でトウモロコシを作ると、7月半ば以降はどうしても虫が入ってしまいます。虫が入ってしまたら、売り物にならないというのが、農家の常識であり、普通そんなトウモロコシは消費者も買う気にならないでしょう。でも、虫をどければ、まだ99%の粒は食べられるのです。しかも、柔らかくて、優しい自然な甘味があります。それでも捨てなければならないのか。毎年抱える悩みです。

去年は悩んだ末、思い切って、正直に「虫食いあり」とラベルを張って、通常価格より40円安くしてお店に並べてみました。虫食いのサンプルも虫食いの状態が見えるようにして、そばに並べてみました。その時の気分と言ったら、もうちょっと裁判所の法廷で被告席に立ったような感じですね。お客さんから総スカンを食らったらどうしようか。どのような非難の声が殺到するのか。

ひやひやどきどきしながら、次の日売り場に行ってみました。すると、トウモロコシは跡形もありません。どうしたのだろうと思って、店員に聞いてみると、「全部売れた」とのこと。「本当ですか?」とうれしさを堪えてこう返事をしました。しかし、まだわかりません。実際、買った人が食べてみて、どんな感想を抱くのか? お店に怒鳴り込んでくる人はいないだろうか・・・。判決を待つ状態がまだ続きます。それでも、トウモロコシはどんどんなりますから、勇気を出して、2回目、3回目と、「虫食いあり」と「虫食いなし?」とうもろこしをお店に並べました。虫が2匹以上いない物を”厳選”したつもりですが、保証はありません。とんでもないことをする農家ですよね!

その結果はというと、とてもよく売れました!そして、一切苦情なし!これには感動しました。消費者は「虫食いトウモロコシ」を受け入れてくれたのです!本当に安全な食べ物を求めている人は、「虫食いなら、間違いなく安全だ」とでも思ってくれるんでしょうか。ありがたいことです。

苦労したのは、いったい何匹の虫がくらいついているのかを見つけることでした。でも、そのお陰様で、虫の食いつき方にも特徴があることがわかりました。それで、虫を上手にどけて、後半は「虫食いなし?」が増やせてよかったです。

でも、この一件、お店のある店員は正直に「ちょっといやですねえ。」と感想をもらしていました。それも無理もないことで、お店の度量の大きいのにも感謝しました
そんなことを思い出しながら、今年のトウモロコシの種まきが始まりました。
小川

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